「旭川に住むって、実際どうなんだろう?」
転勤や移住、市内での住み替えを考えたとき、家の間取りや価格と同じくらい気になるのが「そのまちでの暮らし」ではないでしょうか。特に旭川は「寒い」「雪が多い」というイメージが先に立ちやすく、住んだことがない方にとっては想像しづらい部分もあると思います。
この記事では、旭川で不動産のお仕事をしている私たちの目線から、旭川というまちの基本情報と、暮らしてみて分かる住みやすさ、そして旭川で家を選ぶときに見ておきたいポイントをまとめました。
旭川はどんなまち?まずは基本情報から
旭川市は北海道のほぼ中央にある、札幌に次ぐ北海道第2の都市です。
| 人口 | 309,393人(2026年9月1日現在・住民基本台帳) |
| 世帯数 | 176,327世帯(同上) |
| 面積 | 約747km² |
| 位置 | 北海道のほぼ中央・上川盆地 |
30万人規模の都市というのは、暮らしのちょうどいいサイズです。大きな病院も、大型のショッピング施設も、高校・大学も市内にそろっています。旭川医科大学病院をはじめとする医療機関が集まっていて、道北エリアの医療の拠点にもなっています。一方で、車で30分も走れば田園風景と山が広がる。この「都市機能」と「自然の近さ」が両立しているのが旭川の特徴です。
外とのつながりも意外と便利です。
- 札幌までJRの特急で約1時間半
- 旭川空港から羽田空港への直行便あり(市中心部から空港まで車で30分ほど)
- 道央自動車道で札幌方面へ
また旭川は、2019年10月にユネスコ創造都市ネットワークのデザイン分野に加盟認定されたまちでもあります。デザイン分野での加盟は、名古屋市・神戸市に次いで国内3都市目。木工・家具づくりの産地としての歴史が評価されたもので、「旭川家具」の名前を聞いたことがある方もいるかもしれません。
中心部は「歩ける」まち — 旭川駅と買物公園
旭川の暮らしを語るうえで外せないのが、JR旭川駅を中心とした市街地です。
旭川駅は2011年に高架化され、駅の南側には忠別川沿いに「北彩都ガーデン」が広がっています。駅を出てすぐに芝生と川と、遠くに大雪山の山並みが見える。駅前がそのまま公園になっている都市は、全国的にもそう多くありません。
そして駅の北口から真っすぐ伸びているのが、平和通買物公園です。1972年に開設された、日本で初めての恒久的な歩行者天国。約1kmにわたって車が入らない通りが続き、買い物やイベントでにぎわいます。
このエリアの住み心地を一言で言うと、「車がなくても生活が成り立つ」ことです。北海道の都市では珍しく、中心部に住めば徒歩とバスで買い物・通院・通勤がまわります。冬の運転に不安がある方、高齢のご家族と暮らす方には、中心部のマンションという選択肢は現実的です。
一方、少し郊外に出れば、庭付きの一戸建てを無理のない価格帯で探すことができます。同じ旭川市内でも、中心部と郊外で暮らし方は大きく変わります。
休日が近い — 旭山動物園と大雪山
旭川といえば、やはり旭山動物園です。動物が本来持っている能力や動きを引き出す「行動展示」で全国的に知られるようになった、日本最北の動物園。市の中心部から車で30分ほどの距離にあります。
観光地として有名ですが、市民にとっては「年間パスポートを買って、休みの日にふらっと行く場所」です。旅行で1回行く場所ではなく、暮らしの中に組み込める距離にある。これは住んでみると実感するところだと思います。
そしてもう一つが大雪山です。旭川市の東には大雪山国立公園が広がり、北海道最高峰の旭岳(標高2,291m)があります。日帰りで行ける距離に本格的な山と温泉があり、夏は登山や紅葉、冬はスキーやスノーボードが生活圏の中にあります。
「休日にわざわざ遠出しなくても、行きたい場所が近い」。これは旭川で暮らす大きな価値のひとつです。
食も暮らしの一部 — 旭川ラーメンとご当地の味
旭川ラーメンは、醤油ベースのスープが基本。表面をラードの膜が覆っていて、最後まで冷めにくいのが特徴です。これは、寒い土地で生まれたラーメンならではの工夫だと言われています。
市内にはラーメン店が数多くあり、それぞれに味の個性があります。「自分の行きつけを見つける」のが、旭川に住む楽しみのひとつです。
ラーメン以外にも、旭川には地元で愛される味があります。
- 新子焼き— 若鶏の半身を丸ごと焼いた、旭川発祥のご当地グルメ
- ジンギスカン— 北海道らしく、家庭でも外でも定番
- 地酒— 米どころ・水どころならではの酒蔵があります
上川盆地は北海道有数の米どころでもあり、農産物が新鮮で手に入りやすいのも、暮らしてみると効いてくる部分です。
正直なところ、冬はどうなの?
移住や転勤で来られる方が一番気にされるのが、やはり冬です。ここは正直にお伝えします。
旭川は内陸性の気候で、冬の寒さは本州とは比べものになりません。1902年には氷点下41.0℃という、日本の最低気温の公式記録を出したまちです。
ただ、「寒い土地」と「寒い暮らし」は別物です。
北海道の住宅は、そもそも寒さを前提に建てられています。窓は二重窓や樹脂サッシ、壁には厚い断熱材、暖房は部屋ごとではなく家全体を暖める考え方が基本です。ですから、冬でも室内は半袖で過ごせるくらい暖かい、というご家庭も少なくありません。「本州の家のほうが冬は寒かった」と言う移住者の方は、けっこういらっしゃいます。
とはいえ、冬ならではの手間があるのも事実です。
- 除雪:市の除雪車は幹線道路から順に入ります。自宅前や駐車場は自分で除ける必要があります
- 暖房費:灯油や電気の費用は、本州より確実に大きい費目になります
- 車の準備:冬タイヤは必須。カーポートがあるかどうかで、朝の手間がかなり変わります
これらは「デメリット」というより、家を選ぶときに事前に確認しておけば、負担を減らせる項目です。次の章で具体的に見ていきます。
旭川で家を選ぶとき、見ておきたい5つのこと
物件情報のチラシには載っていないけれど、実際に住み始めてから効いてくるポイントを、地元の不動産会社の目線でまとめました。
1. 前面道路の除雪と「雪の置き場」
冬にまず問題になるのが、除けた雪をどこに置くかです。敷地に余裕があるか、間口が広いかで、毎朝の作業時間が変わります。市の除雪車が通ったあとに家の前に残る雪の量も、道路の幅や立地によって違います。内見のときに「冬はこのあたり、雪はどうなりますか」と聞いてみてください。
2. 屋根の形(落雪式か、無落雪か)
北海道の住宅の屋根は、大きく分けて雪を落とす「落雪式」と、雪を屋根に載せたまま溶かして排水する「無落雪(スノーダクト)」があります。落雪式は、落ちた雪がどこに溜まるかが重要です。隣家との距離が近い場合はトラブルの原因にもなります。無落雪はドレン(排水口)の詰まりに注意が必要です。
3. 窓の仕様と断熱
同じ築年数でも、窓が二重窓・樹脂サッシかどうかで、冬の体感温度と暖房費は大きく変わります。中古住宅を検討する場合は、内窓が入っているか、リフォーム済みかを必ず確認しましょう。
4. 暖房の方式と灯油タンクの位置
灯油FFストーブ、セントラルヒーティング、電気暖房などがあります。灯油の場合はタンクの位置と、配送車が入れるかまで見ておくと安心です。
5. 駐車スペースの台数と冬の出し入れ
夏は停められても、冬は雪が積もって実質1台分になる、ということがあります。冬の状態で何台停められるかという視点で見てください。カーポートや融雪設備の有無も、毎日の負担に直結します。
旭川で住まいを探すなら
旭川は、都市としての便利さと、自然や食の豊かさが手の届く距離にあるまちです。冬の手間はありますが、それは家の選び方でかなり軽くできます。
ジェネシスクラス(IEKURAS)は旭川の不動産会社として、市内および周辺エリアの売買物件を取り扱っています。
「この地区は子育てにどうですか」「冬の通勤はどのくらい大変ですか」といった、物件情報に載っていないご質問も歓迎です。旭川で暮らすことを考え始めた段階から、お気軽にご相談ください。
